袴の畳み方決定版!卒業式や武道後のシワを防ぐ簡単手順と保管術
卒業式や成人式、あるいは弓道や剣道の稽古後、脱いだ後の袴を前に「ヒダが崩れて畳み方が分からない」「適当に折ったらシワになりそう」と頭を抱える方は少なくありません。構造が複雑に見える袴ですが、前後の折り目と紐の処理さえ押さえれば、初心者でもわずか数分で美しくコンパクトに仕上がります。
間違った手順で放置すると、せっかくの美しいプリーツが消えたり、取れない頑固なシワの原因になります。今回は、女性の卒業式で定番の行灯袴(あんどんばかま)から、男性の礼装や武道で用いられる馬乗り袴(うまのりばかま)まで、誰でも失敗しない実践的な手順と長持ちさせる保管の極意を余すところなく解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:脱いだ直後はすぐに畳まず、和装ハンガーで30分〜数時間の陰干しを行い湿気を抜くのが鉄則。
- 要点2:折り目の基本は「前ヒダを整えてから後ろを重ねる」ことで、行灯袴も馬乗り袴も迷わず美しくまとまる。
- 要点3:仕上げの袴紐の結び方「十文字」をマスターすれば、持ち運びや長期保管でも型崩れを完全に防止できる。
【脱いだらまずこれ】袴のハンガー掛け干し方と湿気飛ばしの下準備
袴を脱いですぐに畳んでしまうのは厳禁です。着用直後の生地には、体温による熱気や目に見えない汗、外気の湿気がたっぷりと含まれています。湿気を抱えたまま畳んで収納すると、カビの発生やヒダの消失、頑固なシワの定着を招くことになります。
脱いだ後は、まず着物用ハンガー(和装用の一文字ハンガー)に掛け、風通しの良い日陰で30分から半日ほど吊るして湿気を飛ばしましょう。専用ハンガーがない場合は、洋服用のハンガー2本に腰板や紐をバランスよく掛けて代用します。このとき、直射日光に当てると色褪せや生地の劣化を引き起こすため、必ず室内の陰干しを徹底してください。
【種類別】卒業式袴たたみ方|女袴(行灯袴)の簡単手順
大学や短大、専門学校の卒業式で広く着用されているのが、スカート状になった女袴(行灯袴)です。股の仕切りがないため、構造を理解すれば最も簡単に畳むことができます。
平らな床やテーブルに衣装敷き(または清潔な大判バスタオル)を敷き、以下の手順で進めます。
ステップ1:前身頃を上にして広げる
袴の前側(ヒダが多い面)を上に向け、両手で裾を持って軽く払い、全体のシワを伸ばして平らに置きます。
ステップ2:前ヒダの折り目をピッチリ整える
女袴の前ヒダ(通常は左右各2本から3本、中央に向かって畳まれている折り目)を手アイロンの要領で手のひらで押さえ、きれいに揃えます。
ステップ3:脇の縫い目を内側に折り込む
両サイドのマチ(脇のあき止まり)部分を、自然なラインに沿って内側へ折り込み、長方形のシルエットを作ります。
ステップ4:後身頃を整えて裾から折り上げる
袴を裏返し(後ろ身頃を上にする)、後ろのヒダを整えたら、裾を腰の帯下に向けて2つ折り、または3つ折りに持ち上げます。これで本体の畳み込みは完了です。
【男袴・武道着】男袴(馬乗り袴)と剣道袴・弓道袴たたみ方
男性の成人式や結婚式で着用する紋付羽織袴、そして剣道や弓道で着用する袴の多くは、ズボンのように左右が分かれた男袴(馬乗り袴)です。背面に硬い「腰板(こしいた)」がある点と、股立ちがある点が女袴と異なります。
ステップ1:後身頃(腰板側)を下にして平らに置く
床に広げたら、まず内股の縫い目を左右にしっかりと引っ張り、左右の足をきれいに二分します。
ステップ2:前ヒダ5本・後ろヒダ1本(武道袴は2本)を整える
馬乗り袴は前側に左右合わせて5本のヒダがあります。折り目に沿って指先で折り目をなぞり、狂いがないよう平らに伏せます。
ステップ3:左右の外側を内側へ折り込む
左右の端を腰幅のラインに合わせて内側に折り、きれいな台形または長方形を作ります。
ステップ4:裾を腰板の手前まで折り上げる
裾を持ち上げ、丈の長さに応じて半分または3等分に折り上げます。腰板を巻き込まない位置で折り目を落ち着かせるのが美しく仕上げるコツです。
【難所を完全攻略】袴紐の結び方十文字|初心者でも緩まない仕上げの技
袴の畳み方で最もつまずきやすいのが、長い前紐(2本)と短い後紐(2本)を美しくまとめる「十文字結び」です。この結び方を覚えるだけで、見た目が劇的に整い、持ち運び時に崩れる心配がなくなります。
① 前紐(長い紐)を左右交互に斜め下へ折り下げる
本体を畳み終えたら、前紐を斜め下に交差させながら折りたたみ、幅を本体の中に収めます。
② 後紐(短い紐)を横一直線に重ねる
後紐を左右から中央に向かって水平に折り重ね、余った長さを内側に折り返して前紐の上に配置します。
③ 紐を中央で交差させ「十字」を形作る
前紐の先端を中央の下からくぐらせて上に引き抜き、中央の結び目をギュッと引き締めます。その後、余った紐の端を上下・左右へ綺麗に振り分けて広げ、美しい「十文字」の形状に整えます。
結び目を強く引っ張りすぎず、布の重なりを平らに潰すように撫でつけると、長期間保管しても紐に余計な折れジワがつきません。
【シワ防止と保管術】たとう紙の包み方から折り目直し・クリーニングまで
綺麗に畳んだ袴を次回の着用まで完璧な状態でキープするには、保管環境とメンテナンスが欠かせません。
■ たとう紙での正しい包み方と保管場所
畳み終えた袴は、吸湿性と通気性に優れた和装用の「たとう紙(文庫紙)」に包みます。ビニール袋に入れっぱなしにすると湿気がこもり、カビや黄ばみの温床になるため絶対に避けてください。桐箪笥や衣装ケースに平らに入れ、上に重いウール製品などを重ねないように保管するのが袴シワ防止保管方法の基本です。
■ 取れかかったヒダの折り目直し方
ヒダの山が甘くなってきた場合は、アイロン掛けで復活させます。必ず綿のハンカチなどの「あて布」を使用し、生地(ポリエステルか正絹か)に合わせた適切な温度(中温〜低温)に設定してください。折り目をピンと手で引っ張りながら、上から上から軽く体重を乗せるようにプレスします。横に滑らせるとヒダがよれる原因になるため、押し当てる動作を繰り返すのがポイントです。
■ 袴クリーニング出し方の注意点
正絹の高級袴や、頑固な皮脂汚れ・泥ハネがついた武道袴は、専門の着物クリーニングへ依頼するのが賢明です。出す際は「ヒダのプリーツ加工を保持してほしい」旨を伝え、仕上がり後はビニールカバーを外して風を通してからたとう紙に移し替えましょう。
【袴 畳み 方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:卒業式のレンタル袴は、返却時どこまで綺麗に畳む必要がありますか?
A1:レンタル店側で返却後にプロのメンテナンスを行うため、完璧な十文字結びまで求められるケースは稀です。ただし、ぐしゃぐしゃのまま返却袋に押し込むと、返却時のシワや破損トラブルとみなされるリスクがあります。前後のヒダを軽く合わせ、二つ折りか三つ折りに整えて袋に入れるのが大人のマナーとして推奨されます。
Q2:剣道や弓道の稽古後、毎回十文字結びまで畳むべきですか?
A2:日々の稽古直後は、ヒダを整えて二つ折りにし、専用の袴サポーターやバンドで留めて持ち運ぶだけでも十分です。ただし、週末の保管時や昇段審査・試合の前には、折り目を記憶させるために十文字結びまできっちり畳む習慣をつけると、立ち姿の美しさが際立ちます。
Q3:自宅で袴を洗濯機で洗った後の干し方と畳むタイミングは?
A3:洗える素材(ポリエステルやテトロン)の場合、ネットに入れて手洗いコースで脱水は30秒〜1分程度にとどめます。ヒダを手で引っ張って形を整えてから日陰干しし、完全に乾き切る直前のわずかに湿り気がある段階で畳んで手アイロンをかけると、驚くほど折り目が美しく復元します。
まとめ:手順をマスターしていつでも美しい袴姿を
袴の畳み方は、一見すると手順が多くて難解に思えますが、本質は「前後のヒダを指先でなぞって平らに整え、長方形にして折り上げる」というシンプルな作業の積み重ねです。
脱いだ後の丁寧な陰干し、基本に忠実な折り目のリセット、そして美しい十文字結びの習慣が、大切な袴の寿命を何倍にも延ばします。次に袴を身につけるその日のために、ぜひ正しい畳み方と保管術をマスターしてください。 (出典: 袴 畳み 方(Yahoo!ニュース))